人材不足に介護業界が陥っている根本的原因

ハローワークなどへ職を探しに行くと必ず目にする介護の求人。日本においてはそれだけ介護職の人材不足が深刻化しているということであるが、どうしてこういった事態に陥ったのであろうか。

第一にまず、老齢者の人口と生産年齢人口のアンバランスさが、この問題の根底にある。団塊の世代と呼ばれる戦後数年に生まれた人々をピークとし、その世代の子供たちが生まれた1970年代前半までは、老齢者を生産年齢人口が支える社会モデルが十分機能していたのであるが、少子高齢化が進んだことで生産年齢人口が減る一方、団塊の世代が高齢者となることで介護サービスの希求度が上がってきていることにより、介護業界に深刻な人材不足が現れるようになったのである。

この他にも、「介護の仕事が薄給である」という認識により介護業への就職率は低く、離職率が高いといった状況も、人材不足に拍車をかけている。国はこうした事態に対処するため、離職した介護士の呼び戻しや定着率向上を目的とした様々な優遇措置を打ち出しており、近年介護士の離職率は10%中盤で推移する状況に落ち着いてきている。しかし、2025年までに介護職員は253万人必要だとされるのに対して、実際の供給見通しは210万人台に留まっていることから、更なる対策が求められているのが現状だ。年によって状況が大きく変わる可能性はあるが、介護に携わる人材の待遇はより向上すると考えられ、将来的には有望な仕事と認識されるようになってくる可能性もある。それ故に云わば人材不足の求人は、狙い目の求人とも言える。今のうちに考慮しておいても損は無いだろう。

参考:人材不足で求人が増えている!?

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